入船亭扇橋「弥次郎」

弥次郎さんの嘘つき噺。土曜日に放送していたものは「雄の猪から子供が生まれてこれが畜生の浅ましさ」でさげていたので昔録画しておいた最後まで演じているのを見直しました。
こういう理屈抜きで楽しい噺は何時聴いてもすっ、と入ってくるので良いです。
あまりに寒いので火事に水をかけると凍る、とか出来立ての柔らかい石を千切っては投げ、なんてのは初めて聴いたときは爆笑しました。
扇橋師匠は得意の演目なのでしょう、枕こそ微妙な言い間違いがあるものの噺に入ると独特の扇橋節で流暢に最後まで聴かせます。畜生の浅ましさの後が結構長いしある程度歌舞伎の知識が必要なので滅多に演じられる事が無いのですが、本来のさげである「道理で法螺の吹き通しだ」まで聴き通すと何かしら充実感が漂うのでした。