花見

巷ではそろそろ花見云々の季節ということになっているようです。
実をいうと、決して嫌いなわけでは無く、時として美しいとも思うのだけど、ソメイヨシノにはどこかしら殺伐としたものを感じてしまう。同じ桜なら山桜の方が好きだ。こちらにはもっと風情を感じる。
さらに言うと梅見の方がもっと良いと思う。あのまだ肌寒さの残る中でじっと徳利を傾けるのは、やせ我慢的なところも含めとても風流である。


あまり知られていない落語に「節分」というのがある。大晦日に来る借金取りの言い訳をする「掛け取り(万歳)」や「睨み返し」や「狂歌家主」の節分編である。立春の前の日なので、この日も借金取りがわんさと押しかけるのだ。噺では最後は目出度く待って貰える事になり、一緒に鍋を囲むなんて事になるのだが、ここには酒尽くしの厄払いが登場する。目出度いな、ならぬ呑みたいな、で始まる。
本来立春が元旦だったわけで、厄払いも元々は節分の行事だったのだが、文化元年(1804)以来大晦日や正月にも来るようになったらしい。


というわけで、八代目柳枝の「節分」なんてどうでしょう。春風亭柳枝名演集(二)
全く関係はないが実弟の誕生日だったりする。干支も立春から節分までが一年なので色々気にする人はご注意あれ。