山口小夜子さんの事

この方の事はたぶん物心ついた時から意識していたのかも知れない。
小学生の時には、なんてきれいな人なんだろう、とは思っていたが「山口小夜子」という名前までは知っていたのかどうか定かではありません。
でも、確実に中学生の時には容姿顔形名前が一致していた。それまでその年代なりに経験してきた好きだとか惚れたとかいうのとは別次元の存在になっていました。
今考えてみると、当時アイドルにほとんど興味を持てなかったのはそこに原因があったのかも知れません。
きっかけがどこにあったのか、いつからそんなに好きになったのか、よくわからない。
気がついたら夢中になっていたし崇拝さえもしていた、そんな感じ。


ただ同性(男性)の友達間では、きれいだと言ってくれる人はいても、好きだという人はまずいなかった。恐いと言う人も少なくはなかったし、変わった趣味だとさえ言われた事も。まあ別に気にはならかったけれどもね。
女性にはたまに熱狂的な人がいたし、そこまでではなくても名前やどんな人かは知っている人が多くて、それでも、男で山口小夜子好きなんて珍しいねえ、とはよく言われた。


その頃からもうかなり経ってしまったのだけど、その間美貌は衰えを知らず、実際に会うと特上のオーラを放っているにもかかわらず、巷で見かけるポスターや写真からは想像も出来ないような可愛らしい笑顔も見せてくれる人だというのもわかった。
たまたまここ数年は実際に見る機会を逸してはいたのだが、それは、山口小夜子ならいつまでも歳をとらずに活動し続けるのだ、との自分の思いこみによる油断だっだのだろうか。


今、こうして訃報を耳にして一両日経つが、徐々に徐々に心に空洞が広がって行くようだ。
いかに自分にとって大事な存在だったか、意識してか無意識にか影響を受けていたのか、今になって痛切に思い知らされています。
一つの究極の美のかたちを体現し具現化してくれたことに、尽きることのない感謝の意を表するのをお許し下さい。
本当に、本当にありがとうございました。あなたはいつまでも私の憧れそのものです。
いつか同じ世界に行けたとしたら、またあの微笑みを見せて下さい。それまでは…
今いる世界で御冥福をお祈り申し上げます。


どうぞ、安らかに…