おろち@新宿バルト9 2008/10/09

初めて原作を読んだのが幼少の砌なので、もう何年前なのかわからないくらい(大袈裟)です。
評判が良いのとキャストに惹かれたので見に行ってきました。
原作の持っているおどろおどろしい雰囲気や、時代背景がかなりよく表現されていて、数ある楳図作品の映画化の中でも相当の出来だと感じました。
木村佳乃さんが二役演じていますが、後半の暴力的なシーンがかなりの迫力で、暴力を受ける側の中越典子さん共々鬼気迫る物があります。
おろち役の谷村美月さんは、年齢的に最適な時期に良い役に巡り会えたようで、少女っぽさと凛々しさとが絶妙に両立していて、比較的静的な演技の中に時折見せる激しい表現に鮮烈な印象を与えられました。
彼女も二役演じていますが、もう一つの少女役の時に酒場の流しとして「新宿烏」(楳図先生作詞)を歌うシーンがあり、ファンには必見の映像になっているかと(笑)
姉妹の子供時代を演じた2人の子役も好演だったし、脇役として山本太郎さんも出演していますが、何より嶋田久作さんの存在感が際立っていました。こういう方が脇を固めていると全体が引き締まりますね。


楳図作品も最近殆ど読んでいなかったので、これを機に久し振りに原作を読み返してみようかと思っています。