赤い城 黒い砂<夜の部>@日生劇場 2009/04/17

この舞台は公演予定が発表された時からちょっと気になっていました。運良く行ける日程のチケットを手に入れる事が出来たので、急でしたが観劇してきました。
二階席でしたが舞台正面で前が通路だったので見晴らしは良く、かなり堪能することが出来ました。上演時間は間に20分間の休憩を挟んでおよそ3時間ほど。


原作はシェークスピアフレッチャーの合作といわれている「二人の貴公子」。
音楽関係だと大体ネタばれありで参戦することが多い私には珍しく、演出やあらすじの予習をせずに観に行くことにしました。一応原作は読んでいるしね。


さて、小雨降る中、数年振りくらいになる日生劇場に着いて早速会場内に入ってみる。それにしても二階席は入口まで遠いなあ。
舞台下手にある楽器類は何かと思ったら、バックで流れる打ち込みと共に、パーカッション奏者(山田貴之)が一人常駐して効果音を生音で奏でるという、臨場感ある演出のためでした。彼はほとんどはけずに演奏を続けていました。お疲れ様です。


講評として、全体的には一人一人の性格付けがかなり明確にされているので、難解さは殆ど無く、派手な立ち回りが何度かあるし、衣装も華やかなので、そちらの部分でも楽しめると思います。


笑いを取るところの台詞に違和感を感じたりもしたのですが、後半は筋がかなりシリアスになってくるのでそういうこともなく、見応えはありました。
どちらかといえば、深く心理に踏み込んだというよりは、際立った性格の対比と色彩豊かな衣装や大道具による目を楽しませる舞台という印象を受けましたね。

初舞台である南沢奈央さんにも注目していたのですが、決してきれいどころとは言えない役を体当たり的に熱演していて、なかなか良かったんじゃないでしょうか。

片岡愛之助中村獅童両俳優、黒木メイサ、馬淵英俚可両女優の競演も見所ですが、個人的には中嶋しゅう演じる武器商人モトの性格付けが強く印象に残りました。


通向けというより一般向けだと思うので、敷居が高くて今まで敬遠していた人にお薦めしたい演目ですね。