Barry Harris trio@AKASAKA B flat

去る10月14日に赤坂でのバリー・ハリス・トリオのライブを聴いてきました。
このライブハウスは初めてでしたが、赤煉瓦風の内装が目に心地良く、雰囲気を持っている空間に楽器が置いてあるのを見るとやはり心が弾みます。
私の席はステージからテーブル2コほどはさんだカウンター。距離は比較的あるけど真正面なのでとても見やすくて、自分的には良席でした。
客層は年配者が多いかと思いきや、大学生くらいが何カ所かに固まっている。おそらくバリーが開催していたクリニックに参加していた人たちなのでしょう。
バリー氏は実は一番奥のテーブルに関係者と座っており、めざとく見つけたファンからのサインに応じたりしていました。


ステージは短めの2セット構成。並びは下手からBarry Harris(piano)、小杉敏(bass)、横山和明(drums)
1st set 1曲目は「LIKE SOMEONE IN LOVE」。ミディアムテンポ。
2曲目はアップテンポで「FINE AND DANDY」それからBud Powellのスローな「I'LL KEEP LOVING YOU」。そして「STAR EYES」。最後はたぶん即興でオリジナルを作り、曲名は観客に数字を言って貰い「TOKYO 376」に決定。


2nd set は「IT COULD HAPPEN TO YOU」から始まります。次は小杉氏にコード進行を説明してから「HOW HIGH THE MOON」。そして「TO DUKE WITH LOVE(Prelude to a kiss)」。それからこれもコード進行を説明してから「TEA FOR TWO」。アップテンポの後は一転してフリーでThelonious Monkのメドレー(RUBY MY DEAR〜EPISTROPHY〜PANONICA)からリズムをつけて「'ROUND MIDNIGHT」。ここでのバリーはモンクを彷彿とさせるような叩きつけるような力強いタッチで弾ききっていました。最後はクラップと観客とのコーラスを交えてお馴染みの「NASCIMENTO」。


アンコールはバリーのオリジナル曲「深い愛情」から「NIGHT IN TUNISIA」。


全体的にベテラン小杉氏が堅実に支え、若手の横山氏は神経を研ぎ澄ましてバリーに合わす、という風情でしたが、バリー氏の人柄もあってかどちらかというと緊迫感よりもくつろぎ感を与えられた印象です。


喜寿にならんとするバリーのプレイは、そんな年齢はほとんど感じさせずBOPピアノの精髄を聴かせてくれました。


終演後、セットリストの確認のために関係者席近辺で何人かとちょこっとお話しましたが、セットリストのメモ書きを書き写していたときに国府弘子さんが後ろから覗いて、「目に焼き付けて覚えよう」と言っていたような気が…。メモまわせば良かったかな(笑)