最近読んだ本也

今日もchixchicksの路上は中止ですね。何か縁が無い感じがしてしまうなあ。
というわけで少ないけれど読んだ本。

歌う砂―グラント警部最後の事件 (論創海外ミステリ)

歌う砂―グラント警部最後の事件 (論創海外ミステリ)

テイ女史の遺作。かの江戸川乱歩がとても読みたがっていた作品なのだそうです。
謎解きものとしてはそれほどでは無いですが、女史の故郷スコットランドの風俗が色濃く描かれている点と、神経が参ってしまって休暇をとっているグラント警部が回復して行く課程での心理面の克明な描写にはとても心惹かれるものがあります。
小説の書き手として、テイの才能はやはり傑出していると改めて感じました。50代での夭折は本当に惜しまれます。
ミステリ・リーグ傑作選 上

ミステリ・リーグ傑作選 上

ミステリ・リーグ傑作選 下

ミステリ・リーグ傑作選 下

幻の雑誌の本邦初復刻(抜粋だけど)
個人的に読み所だと思うのは、上巻の若きクイーンの少々自信過剰気味な文章(笑)と、下巻のブライアン・フリン作「角のあるライオン」。ライオンはクイーン好みのパズラー小説なので、この手が好きな読者には堪らないでしょう。人によっては起伏に乏しいので退屈に感じるかも知れません。重厚さの反面クイーン自身も指摘している通り一つ大きなミスがあるようですが、それを差し引いてもなかなかの読み応えでした。
数をめぐる50のミステリー―数学夜話

数をめぐる50のミステリー―数学夜話

これは小説ではありません(みればわかるけど)
数学関係の本は好きなのでよく読むのですが、これは一つ一つが短いので小説類に飽きたときに気分転換に読むのに最適でした。もともと数学にはさほど興味のない(むしろ敬遠している)読者層向きに書かれているので初心者にお薦め。ただ少し訳文が硬いのが難点か。