国立音楽大学オーケストラ第108回定期演奏会@国立音楽大学講堂大ホール 2007/12/9

10数年振りにこの講堂に行きました。オーケストラの演奏に先駆けて水野均さんによるオルガン・プレ・コンサートがありました。
プログラムは
ベートーヴェン:オルガン時計のための小品(1799)より第2曲スケルツォ、第3曲アレグロ WoO 33/2-3
J.S.バッハ:幻想曲とフーガ ト短調 BWV542
水野さんは一人で弾いていましたね。ベートーヴェンの珍しい曲を聴けたのは意外な収穫でした。


そして定期演奏会。学生が主のオーケストラです。指揮は高関健、ピアノは長岡純子
ベートーヴェン:序曲「コリオラン」Op.62
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37
マーラー交響曲第1番 ニ長調「巨人」


序曲はなかなか好演でした。しかし、なんと言ってもメインは協奏曲でしょう。
長岡純子さんは日本での知名度はそれほど高くないようですが、ヨーロッパでは居住しているオランダを中心に各地で活躍している名手です。昭和3年生まれなのでもう80歳近いわけですが、年齢は全く感じさせません。この日も彼女目当ての聴衆がたくさんいたと思います。
今回の演奏も学生オーケストラとの共演とはいえ、当たり前ですが一切妥協を見せずに音楽を表現し尽くしている事に改めて感銘を受けました。個人的に、第1楽章のソロが入るまでの部分での音楽の感じ方(身体の反応など)に音楽家の真の姿を見た気がしてとても嬉しく思いました。
協奏曲の演奏も何処をとっても間然とするところが無かったのですが、アンコールで「気の向くままに」と披露して下さったシューマン「知らない国々」の凝縮されたロマンに胸を打たれてしまいました。
現在このような馥郁たる音の演奏家は益々貴重な存在となっています。とても良い体験をさせていただきました。


休憩後は気を取り直して「巨人」です。この曲も実際に聴くのはかなり久しぶりですが、少々拙いながらもよく頑張っていました。高関さん、大変だったでしょう。お疲れ様です。


終演後はこれまた久々のほんやら洞で、久々の将棋を指す。自分の仕掛けが酷すぎて凹みました。おつき合いいただいた有即斎(id:white-love)さん、有り難うございました。