浮世断語 三代目三遊亭金馬

居酒屋の金馬のいわば随談集。昭和三十年代に出た本なので今ではわからないような話もたくさんあるのですが、当時の事や、もっと古い感覚がどういうものだったか、というのを時折読み返したくなってしまいます。駄洒落や警句、昔の悪口などもたくさん載っていて、今でも通じそうなネタもいくつもあります。かつてこの金馬師匠の弟子だった時期のある人がやっていた飲み屋に足繁く通っていたときに、あの人は寄席に出ていなかったし、ほとんどお座敷で稼いでいたんだ、なんて話をして当時のエピソードをよくきかせて貰いました。因みにその弟子だった人はかの爆笑王三遊亭歌笑を投げ飛ばして破門になってしまったのだそうです。まあ勿論戦前だか戦中のまだそこまで歌笑さんが売れていなかった時期でしたが。