「百川」

日本○話芸で三遊亭金馬の「百川」を観ました。
この噺、金馬さんや小三治さんもよく演じていますがかつては六代目三遊亭圓生の得意ネタでした。なんというか、特別面白い噺とも思えないのですが何かそそるものがあるのでしょうか。圓生さんは品川の圓蔵*1のを観て覚えたそうですが、自分でかなり手を加えているのでほぼ圓生の型といって良いのでしょう。
田舎から出てきた人の方言の取り違えを扱った噺ですが、これも今となってはいろいろ枕で説明をしておかないとわからない言葉が多いのであまり演じられなくなるんでしょう。
自分では慈姑のきんとんとか、四神旗とか、三味線箱なんてのに江戸情緒を感じたりするわりと好きな噺ではあるのですが、内容は非常にたわいの無い酒場での雑談に出てきそうな類なので最近のように過剰に笑いを求める層にはきついかも知れません。
「百川」というのは江戸後期に日本橋本石町にあった会席料理屋で、そこで実際にあった出来事を一席にまとめた噺らしいです。私は一種の神田祭におけるサイドストーリーだと思っていつも聴いています。

*1:四代目橘家圓蔵、品川に住んでいた