ろくろっ首

元は上方の噺らしいです。ろくろく首と向こうではいうそうです。
落語でこんなに普通に妖怪(と言って良いのかわかりませんが)が出てくるのは珍しいかも知れません。噺の中では病気という表現を使っていますが、明らかに妖怪ですよね。ただし親の因果が子に報い、なんて言葉もあるくらいなので、人間からでもそういう妖怪が生まれてくる時代だったのでしょう。鈍いかと思っていた少々足りない主人公であっても、実際に首が伸びているのを目の当たりにしてしまうと恐くていてもたってもいられなくなる、というのが落語らしくて好きなところです。
上方から移したのが四代目小さんだったので五代目小さん一門に演じる方が多いようです。私が実際に聴いたのは五代目小さん師匠と現小三治師匠。三代目桂三木助も演じていたそうです。演者によって下げが違うのもききどころです。