道灌

これもお馴染み江戸前の根問い物。
歌道に明るいと自負していた太田持資公が鷹野の折り、ある賤の女に出された山吹の花の謎が解けず、一念発起して有名な歌人になったという伝説を題材にした噺。噺にも出てきますが、江戸城を創設したのはこの人です。
例の如く八五郎が道灌公をやり込めた賤の女の真似をしようとするのですが、ようやく来た友達は雨具ではなく提灯を貸せと言う。無理矢理雨具を貸せ、と言わせてやっとのことで「歌道が暗いなあ」と決め台詞を言うと「角が暗いから提灯借りに来た」。
私はこの最後の部分よりも、前半の隠居の蘊蓄に茶々を入れながら暇つぶしをしている光景に風情を感じます。


この噺はなんといっても3代目金馬が絶品でしょう。寄席などに行けば浅い時間帯で聴けることが多そうです。