十代目金原亭馬生

いや、特別な事じゃないんだけど。
昔録りだめしたのを聴き直していて、あらためて良い噺家だなぁ、と思ったわけで。
子供の頃は、聴きやすいときと聴き難いときがある人だな、と漠然と思っていたけど、最近きちんと聴いてみるとなんともいえない柔らかみがあってつい聴きこんでしまう、そんな魅力のある噺家だと思うようになりました。
レパートリーもかなり幅広い。人情噺ももちろん得意としていたが、軽い噺がたまらなく良い。
手元にあるだけでも「道具屋」「茗荷宿屋」「初天神」「お血脈」「そば清」「ざる屋」など素晴らしい。
比較的大きな噺では「船徳」での前半を思いっきり端折った演出なぞも最初に聴いたときはちょっとびっくりしました。いきなり二人組が船に乗ろう、って所から始まる演り方なんだけど、馬生さん以外ではどうなんだろう、今そうやる人はいるのだろうか。もちろん最初からちゃんと全部演じているのもあります。というより普段はそうしていたんでしょうけどね。


この際志ん生志ん朝だけではなくぜひ馬生の再評価を、なんてね。