モルトウィスキー

スコッチのシングルモルトウィスキーを自宅ではよく飲みます。バーでももちろん飲めるのですが、せっかく近所に品揃えの良い店があるので、そこで店員さんと四方山話をしつつ買ってくる事が多い。


ここ数年は商売のためなのか、若い年数で出荷されているものが増えているようで、こちらとしてはあまり嬉しくありません。
好みはもちろんあるかとは思いますが、8年だとちょっと若いと感じる物が多く、やはり12年から20年くらいの間が普通に美味しいのではないかと考えています。


大体、最初はアイラ(ISLAY)島の薬品臭い風味を持つというモルトにはまるらしいのですが、個人的には(勿論好きなのだけど)それを中心にはしていないですね。
この地域のモルトは、若くても比較的しっかりした味に仕上がっている事が多いとは思うので、懐にはやさしめかも知れない。
好みなのはARDBEGやLAGAVULINなのだが、オイリーでより薬臭いLAPHROAIGも手に入れやすい。
この地域のものは癖が強くわかりやすいので人気なのかも知れないが、もっとも巨大な産地であるハイランド、スペイサイドが本流だという気はします。


それから、選ぶときに悩む理由の一つに、瓶詰め業者のボトルというのがあります。
そもそも、シングルモルトブレンドするために作られていたので、それを単独で飲むなんて事は想定されていませんでした。各蒸留所は基本的にブレンデッドウィスキーを販売している親会社に樽売りするのが普通で、シングルモルトとして販売をしていない場合が殆どです。
親会社がシングルモルトを販売している場合はオフィシャルボトルとして蒸留所の名前が冠されています。
それらの親会社とは別に、各蒸留所から樽で買って自社でボトリング、販売を古くから行っている業者があり、それらはその会社の名前と共にに蒸留所の名前が書かれてあるのが普通なので、初心者には非常にわかり難くなっています。
古くから有名なのはGordon & MacPhailやCADENHEAD'Sでオフィシャルとは違った特徴を持っている事も多い。


実際選ぼうとすると非常に数が多くて、どこから手を着けたらよいかわからないのが実情かとも思うので、簡単に注目する点を列挙してみます。


蒸留所名(要するにウィスキーの名前)
オフィシャルなのか瓶詰め業者なのか(オフィシャルは比較的味が安定していると考えて良い、瓶詰め業者は当たり外れがある)
何年物か(書かれていない場合もあるが、品質とは関係ない。西暦が一つだけ書かれている場合、それは蒸留された年である。瓶詰め業者の製品には蒸留した年、瓶詰めされた年両方書かれていることも多い)
熟成のさせ方(例えば樽の種類などが書かれている場合がある。プレイン・オークとシェリー樽ではかなり味わいが異なる。Finishと書かれている場合、いくつかの樽で寝かせた時の最後の樽の種類である)
アルコール度数(通常40〜46度ですが、Cask Strengthといって度数のかなり高い物があります。通常は加水して度数調整するのですが、この表示があるときはそれをしていません。当然、熟成年数が多くなるほど度数は下がって行きます)


一番大事なのは当然蒸留所名ではありますが、それぞれが複雑に絡み合っているので一筋縄では行きません。オフィシャルを基本にするのが当然なのですが、瓶詰め業者からしか出ていない物も多く、時には同じ蒸留所なのに違う名前で出ていたりもします。


なるべく外れを引かないようにするには、事前にバーや酒屋で情報を仕入れるのが確実でしょう。
今回はとりあえずここまで。気が向いたら続編あるかも。